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04-06-在宅患者における嚥下リハビリ体操の紹介例

04-06-在宅患者における嚥下リハビリ体操の紹介例

トモニティ(株) ひまわり薬局
○中里敏子

ひまわり薬局は前回第3回で報告したように,1997年より在宅訪問を行っています。
2011年6月現在15年間弱の訪問患者数157名,のべ訪問人数10905名です。そこで今回は,2007年~2010年の期間に当局が調剤した,エンシュアリキッドの処方者とアリセプト錠の処方者を調査し,脳血管障害の進行による嚥下障害への影響を検討しました。

その検討結果を踏まえ,さらにこの会から高齢者の口腔ケアの必要性を学ばせていただいたことで,先月6月に8名の訪問患者さまに対し,飲み込む力を強くする嚥下リハビリ体操―「ゴックン深呼吸」『唇の体操』「頬の体操」「舌の体操」を紹介しました。

その結果,8名中3名の方はデイサービス施設利用し施設から,体操の指導を受けていました。しかし,デイサービス利用をしていても3名の方は,介護度高く身体機能低下著しいため,体操の対象にはならなかったのかと思われ,本人家族とも知りませんでした。

また,1名は,自宅入浴サービスのみ利用,1名は介護認定していない方という理由で施設利用していないため,その2名は体操を知りませんでした。結果,嚥下リハビリ体操を知っていた人は,在宅患者さまでは40%以下でした。高齢者の口腔ケアは,人間が食べるという基本的行動を続けるというためには必須なことで,施設利用の高齢者だけでなく,高齢者をとりまく家族を含めて,嚥下機能のための体操を広めて行けないものかと考察します。

また,私的なことですが,東日本大震災薬剤師ボランティアに4月と5月に行かせていただきましたので,簡単な報告もさせていただきたいと思います。

04-07-棒付あめ等の刺激入力により,経口摂取が可能となった2症例

04-07-「棒付あめ等の刺激入力により,経口摂取が可能となった2症例」

東郷会恵愛堂病院 栄養課1),同 看護部2),同 薬局3),同 リハビリ4),同 内科5),同 外科6)
○狩野彰子1),長澤玲子1), 高橋みゆき2),大石あき子2),吉田容行2),大橋牧子2), 倉澤眞未2)
上出剛史2), 坂井崇裕3),小林宗二4),梅沢公彦5),山田 勲6),東郷庸史6)

[はじめに]
NST活動を行う中で低栄養改善の方法の1つとして,経静脈栄養から経腸栄養への早期移行を目指している。そのため,経口摂取が困難な場合には選択肢の一つとして胃瘻造設に至る場合がある。

その反面,胃瘻造設を拒否された患者に対しては,経鼻栄養が継続されることによりQOLが阻害されるだけでなく,退院に際しても,在宅困難が生じる場合がある。今回,認知機能低下により摂食障害に至った患者に対し食べる意欲向上に向けて,「棒付あめ」や「するめいか」による口腔機能向上訓練を行い,経鼻栄養から経口摂取への移行が可能となり,退院となった2症例を経験したので報告する。

[症例]
症例1:A氏 92歳女性。L2圧迫骨折にて当院入院。入院後,安静のためADL低下から拒食が生じ,経鼻栄養開始となる。無気力,無口な状態であったが,ADL拡大に向け起立からウォーカー歩行,シルバーカーへの離床を進めた。経鼻栄養併用し,経口訓練を開始。本人の嗜好を重視し家族の協力を得て摂食援助を行なった。経口摂取量は改善傾向であったが,口腔機能向上訓練を開始。その後,「おなかがすいた」など意欲的な言葉が聞かれるようになり,訓練開始約2週間で食事摂取量が安定し,約1か月後に退院。

症例2:B氏87歳男性。肺炎にて当院入院。傾眠・昼夜逆転傾向であった為,内服調整を行った。肺炎改善した後も食事摂取拒否の為,経鼻栄養・口腔機能向上訓練を開始した。訓練開始後,問いかけに対して返答などの会話も見られるようになり,約2週間で食事摂取量増加。徐々に自力での食事摂取も可能となり,約1カ月で施設へ入所となり退院。

[考察]
認知症高齢者にとって,入院治療に伴う環境変化や安静等の制約によるADL低下は,摂食だけでなく生きる意欲にもつながる。この中で,意欲を高めるためには,栄養摂取だけにとらわれず,QOLを考えた働きかけが重要である。今回の2症例は,経鼻栄養や身体拘束に伴う苦痛が生じていたため,可能な限り見守りや言葉かけによる気分転換と同時に,離床,「棒付あめ」摂取を行い食べる意欲と認知機能が向上した結果と考える。

[まとめ]
入院に伴い,認知症高齢者には意欲低下から摂食障害が生じる。離床と同時に口腔機能訓練は経口摂取移行には有用である。

04-08-摂食・嚥下リハビリテーションと歯科 慢性期病院の場合

04-08-摂食・嚥下リハビリテーションと歯科 慢性期病院の場合

伊勢崎福島病院 歯科
○種村達哉

伊勢崎福島病院はベッド数262床(一般病棟167床,療養病棟95床)で内科,神経内科,外科,整形外科,リハビリテーション科,歯科等を標榜しています。当歯科は病院歯科として有病者及び高齢者に対する歯科診療を行い,平成21年9月より介護病棟における口腔機能維持のための口腔ケアの実施及び指導を開始し,平成22年4月よりリハビリテーション科の一員として摂食・嚥下リハビリテーションに携わっています。

現在,言語聴覚士と共に,理学療法士・作業療法士や看護・介護職の協力の下,摂食・嚥下障害およびその疑いに対して,摂食・嚥下機能のスクリーニング検査,精密検査(嚥下内視鏡検査:VE)や食事状況の観察などを通して評価を行い,安全な経口摂取のための摂食機能療法を実施しています。

特に嚥下内視鏡による摂食・嚥下機能の検査を行うことにより,問診,視診,触診や頸部聴診等の理学的所見だけでなく,実際の経口摂取に近い状況を観察することができ,より詳細な評価を行い,訓練を実施できるようになりました。

しかし,摂食機能療法の全てが経口摂取訓練の対象となる訳ではなく,経口摂取が困難な唾液誤嚥等の重度な摂食・嚥下障害があります。また,摂食機能療法に必須な栄養管理や呼吸管理の実施や改善も必要となります。

今回,嚥下内視鏡画像を交え,摂食・嚥下リハビリテーションに対する考えや歯科医師の関わり方の一例を示します。