Category Archives: 02-第2回研究会の記録 - Page 2

02-03 院内での口腔ケアハンドブックの製作とその効果について

02-03 院内での口腔ケアハンドブックの製作とその効果について

桐生厚生総合病院 NST
○林 希望、宇津野こずえ・今井正之・新納 舞・小林 誠・浅野弥生・吉野有美
飯田智広・尾辻英彦・岡田克之・丸田 栄

高齢患者や要介護患者では、口腔の清掃が不十分で口腔内が不潔になりやすい。急増する高齢患者や要介護患者のQOLの向上を目指した介護が必要となる中、口腔ケアの普及が大変重要である。

しかし、当院では病棟職員の口腔ケアに対する手技や知識、方法に若干の差がみられる。
今回、われわれは、それらを統一し、口腔ケアに対するさらなるモチベーションアップをはかる為、口腔ケアハンドブックを製作した。

口腔ケアハンドブックを使用した職員のアンケート結果をもとにその効果を紹介する。

02-04 義歯安定剤について

02-04 義歯安定剤について

群馬県歯科衛生士会
○原 貴美子

演者は第1回の本研究会において,桐生地区の誰もが口腔ケアに取り組めるよう,二つの提案をした。ひとつは、「食事の前の健口体操をしましょう」。そして二つめは、「義歯についたしつこい汚れはバイオフィルム状になり,健常者が磨いてもなかなか落ちないので,歯みがき自立の方でも時々はしっかりとヌメリがないか確認しましょう」ということであった。

そのうちの義歯の汚れに関して,デイサービスなどにおいて口腔ケアを行う際,義歯の汚れを確認するために義歯を外してもらおうとしても,義歯安定剤を使用している為,自分で外すことのできない人が意外と多く,対処に困ることが少なくない。

そこで,そもそもなぜ義歯安定剤を使うのか?また,義歯安定剤は長期に使って良いものなのか?などについて若干の文献的考察を加えて発表する。

02-05 入所型介護施設協力歯科医へのアンケート調査結果について 第1報

02-05 入所型介護施設協力歯科医へのアンケート調査結果について 第1報

(社)桐生市歯科医師会 口腔ケア検討委員会
○飯野隆司,渡邊 潤,下山雅通,阿久津智,鈴木 円,中島正光,三丸 潔,小林 司
,須永 亨,星野浩之,須永 實,塩崎泰雄

目的:近年,口腔ケアと全身疾患との関連が明らかになるとともに,その重要性が広く認識されるようになってきた。桐生市歯科医師会では昨年度,口腔ケア検討委員会を立ち上げた。当会では,これまでも会員が個々に入所型介護施設における口腔ケアに取り組んできた。しかし実際にどのようなケアを行っているかについては,明らかでなかった。そこで,われわれは現状を把握するためにアンケート調査を行った。ここでは調査結果の一部を,第1報として報告する。

方法:桐生市およびみどり市の入所型介護施設で協力医をしている当会会員15名(施設数37)を対象に,当委員会が作成したアンケート調査を平成22年5月に実施した。
結果:施設からの報酬があると答えた会員は1名で,歯科検診を行った場合に検診料として得る報酬であった。残りの14名は無報酬であった。施設で口腔ケアに取り組んでいる会員は4名(15施設),口腔ケアを行っていない会員は11名(22施設)であった。行っていない会員に理由を尋ねたところ,施設が必要としていないという回答がもっとも多く8名であった(複数回答可)。協力医の会員が桐生市歯科医師会に望むことを尋ねた質問には,口腔ケアの研修会の実施と答えた会員が多かった(11名)。

考察:今回のアンケートの結果から,口腔ケアに取り組んでいるのは協力医の1/4以下にとどまっていた。その理由としては,施設が必要としていないためとする回答が多かった。しかし,歯科医師会に対しては口腔ケアの研修会の実施を望んでおり,口腔ケアに対する意欲をもっていることが示されている。今後は,口腔ケアの重要性に対する施設との共通認識を深め,歯科医師と施設職員がともに研修会などを通して知識や技術を高め,経費と人員に関する問題を解決する計画を立て,口腔ケアを実施する施設を増やしていく必要があると考える。桐生市では高齢化率が群馬県一の27%を超えており,みどり市でも10年後には25%を超えると予想される。両市が掲げる高齢者保健福祉計画を実現するためには,市民全体を対象にした口腔ケアのレベルアップが必須であり,桐生市歯科医師会としては,口腔ケア研究会の活動と共に,行政との連携・協働・協調をさらに強化していくことが不可欠と考える。