01-07 口腔外科との連携で変わった当院の口腔ケア(療養病棟における事例)
全仁会高木病院 看護部1),同 口腔外科2)
○片山昌枝1),岩松節子1),川田あけみ1),宮田弘子1),金丸真奈美1),小野恵美子1),
友野知江子1),鈴木 円2)
歯磨き・うがいなどといった日常的な行為も,入院という環境の変化によっては影響を受けやすくなる。原因として考えられるのは,入院の原因となった原疾患の治療が最優先と考えられやすく,看護師による口腔ケアは後回しになりやすい。その為に,初期治療を終えた患者さんの中には,入れ歯の不適合や歯肉の炎症の悪化により食事摂取量の低下を招くことがあり,それ以外にも口臭などにより同室者との関係が悪化してしまったという院内の報告もある。
看護師は,毎日のケアを通じて,早期に異常を発見できる立場にあるが,原疾患の病状によっては十分に行き届いた口腔ケアが出来ていない状況があり,口腔内の異常については後手に回りがちであった。しかし,当院では平成20年1月21日に口腔外科が開設され,現在は,口腔内のトラブルに対し早期に対応が可能となった。また,歯科衛生士から専門的な指導を受け,手順・手技の統一を図り,定期的な評価を受けることで,日々のケアの充実が図れるようになってきた。
今回は,当院療養病棟入院中に看護師の行う口腔ケアから発見され,口腔外科との連携により治癒に至った顎口腔領域の疾患を生じた症例を報告するとともに,歯科医師や歯科衛生士との連携により従来行っていた口腔ケアから変わった点などを報告する。