04-05-汎用機器を使用したオーラルディアドコキネシスの測定法

04-05-汎用機器を使用したオーラルディアドコキネシスの測定法

(社)桐生市歯科医師会 地域医療連携プロジェクト 口腔ケア部門
○星野浩之,小林 司,金子浩之,大澤 遵,増山剛義,金子孝和,中島正光,田中清貴,   須永 亨,須永 實,塩崎泰雄

口腔機能向上プログラムを実施するためには,口腔機能の客観的な評価は欠かせない。この評価方法の1つとしてオーラルディアドコキネシスが広く用いられている。これは,パ,タ,カの交互反復運動をできるだけ速く行わせて構音の運動速度と規則性を測定し,構音器官の能力を評価するものである。測定法には,ペンで発音回数を紙に打点記録する方法(ペン打ち法)やIC レコーダで録音した後,コンピュータに取り込んで回数をカウントする方法(IC 法)などがある。

しかし,ペン打ち法では発音が速い場合には測定者の打点が追いつかず正確に測定することはできない。また,IC 法は,精度は高いがコンピュータの使用が必要なため,介護の現場で実施することは難しい。この問題を解決するために専用の測定機器が開発され販売されているが,高価なので手軽に入手できるものではない。たとえ専用の測定機器であっても波形の記録ができないため,発声のリズムと発音のバラツキは評価できない。そこで,われわれは手近にある機器を使用してIC 法と同等の精度を持ち,ペン打ち法に近い手軽さでオーラルディアドコキネシスの測定を行う方法を考案したのでその方法を示す。

機器にはApple社製のiPadとアプリケーションソフトウェアGarageBandを使用する。iPad上でGarageBandを起動し,音源にAudio Recorder を選びテンポを240に設定する。被検者に発音させた交互反復運動をiPad に内蔵されているマイクで録音する。録音後,その波形により評価を行う。テンポを240に設定することにより,1小節が1秒間になるので1秒間あたりの平均値を算出するのが容易である。

この方法の利点として以下のように考える。1. ペン打ち法に比べ,測定者の運動能力に関わらず,速い発音もカウントすることができる。2. 波形により発声のリズムと発音のバラツキも評価できる。3.簡便にIC法と同等の測定精度を得られる。4.機材が小型なので介護の現場でも使用が可能である。5.専用の測定機器よりも安価である。6.手軽にデータを保存できるため,口腔機能向上プログラムの効果を経時的に比較できる。

現状では1秒間あたりの発音回数を算出するために,波形を目視でカウントしなければならないが,専用のソフトウェアの開発によりこの問題も解決されるであろう。

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