02-99 特別講演 病態時期別に見た要介護高齢者への口腔ケアについて

02-99 特別講演
 病態時期別に見た要介護高齢者への口腔ケアについて
  ~急性期からの留意点と介護予防における口腔機能向上支援の役割~

                             日本大学歯学部摂食機能療法学講座
                                     植田耕一郎 教授
 
予防給付と地域支援事業が平成18年4月に始まり,4年超が経過しました.それら施策の中に「口腔機能向上支援」というサービスの柱が生まれ,日本の福祉施策に「口腔」という文言が明記されたことは画期的なことでした.口腔機能を維持,向上することにより,「健康長寿がはかれる」「寝たきりを予防できる」「障害の重度化を予防できる」といったことが,国策レベルで認められたのです.

一方,平成20年4月の医療改定における後期高齢者医療,さらに本年の医療改訂と,両者に共通しているのは,在宅療養者への訪問診療に軸足が置かれていることです.これら施策の色合いが濃くなる中で,口腔ケアや摂食機能障害への対応が急務となりました.もはや健康長寿を達成するために,「口腔ケア」「摂食・嚥下障害」は,医療,福祉(介護),保健の共通課題といえると思います.そこで今回は,以下の点について検討してみたいと思います.

1.要介護高齢者の口腔機能の実態
2.急性期から終末期に至るまでの口腔ケアの留意点
3.摂食・嚥下リハビリテーションの概要
4.21世紀超高齢社会への提言

私は病院勤務ですが,行政,診療所,在宅や高齢者施設など,それぞれの現場で展開されている内容との相互間のギャップが埋められ,実践的な話し合いの場がもてれば幸いです.

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